高血圧と食事の関係
高血圧は自覚症状が乏しいまま進行し、脳卒中・心筋梗塞・腎臓病などの重大な合併症につながる生活習慣病です。日本の高血圧人口は約4,300万人と推定され、その多くで食塩の過剰摂取が血圧上昇に関与しています。
食事療法の柱は「減塩」と「カリウムの増加」です。食塩相当量を減らすと同時に、ナトリウムの排出を促すカリウムを多く含む野菜・果物・海藻を増やすことで、降圧効果が高まることが知られています(DASH食の考え方)。
1日の食塩目標量
日本人の食事摂取基準2020年版では、成人男性7.5g未満・成人女性6.5g未満が食塩相当量の目標量です。一方、高血圧の治療では日本高血圧学会が1日6g未満をより厳しい目標として推奨しています。
日本人の平均摂取量は男性約10.9g・女性約9.3g(国民健康・栄養調査2022年)で、目標を大きく超えています。まずは現状を把握し、味噌汁・漬物・加工食品など塩分源を1品ずつ見直すことが現実的です。
この疾患で意識したい栄養素
積極的に摂りたい栄養素
減塩を続けるための工夫
だし(かつお・昆布)の旨みや、レモン・酢などの酸味、生姜・山椒・唐辛子などの香辛料を活用すると、塩分を減らしても満足感を保てます。
醤油・味噌は計量スプーンで量り、調理時ではなく食べる直前に「後がけ」すると少量で塩味を強く感じられます。加工食品は「食塩相当量」の表示を確認する習慣をつけましょう。
カリウムでナトリウムを排出する
カリウムは腎臓でのナトリウム再吸収を抑え、尿中への排出を促します。野菜・果物・いも・豆・海藻を意識して摂ることで、減塩の効果がさらに高まります。
ただし腎機能が低下している方はカリウム制限が必要な場合があります。腎臓病を併せ持つ場合は必ず主治医・管理栄養士の指示に従ってください。
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参考資料
・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」
・厚生労働省「国民健康・栄養調査報告(2022年)」
・日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」